呼吸器外科(気管虚脱・喉頭麻痺)
気管虚脱とは
気管虚脱とは小型犬に多い病気で、気管が扁平化する病気で、気管が潰れることで咳やガチョウのようなガーガーいう呼吸を起こしたり、重症化すると呼吸困難で死亡してしまう怖い病気です。
進行性の病気なので、内科療法をおこなっていても症状は徐々に進んで行きます。
喉頭麻痺とは
喉頭麻痺は大型犬に多く見られる病気で、気管の入り口の喉頭という部分に麻痺が起こり、息が吸えなくなる病気です。実はとても多い病気ですが、多くの場合見逃されていることが多い病気です。
ひどい場合は呼吸困難で死亡してしまいます。
呼吸がぜえぜえ言ったり、散歩の後に呼吸が荒くなったり、熱中症になりやすかったりします。
何となく呼吸が苦しそうだなあと思われる場合は、早めにご相談下さい。
当院ではこの気管虚脱の手術のスペシャリストである大分の末松どうぶつ病院の末松先生に来て頂いて、手術を行ってもらっています。
症状が重度だとなかなか大分や東京まで手術に行くことができないという飼い主さんが多くいらっしゃいましたが、遠方に行くことなく手術を受けることができますので、気管虚脱でお悩みの飼い主さんは、ぜひご相談下さい。
末松正弘
AMC末松どうぶつ病院 呼吸器・循環器センター長 獣医循環器学会認定医・評議員 小動物呼吸器疾患研究会 Small animal respiratory disease study group(SARS) 福岡夜間救急動物病院 技術顧問
2004年 日本獣医生命科学大学卒業
2007年-現在 AMC末松どうぶつ病院
2018年-現在 鹿児島大学大学院 共同獣医学研究科外科学分野所属(気管虚脱、気管移植について)
末松先生の発表、受賞歴です
受賞歴(一部抜粋)
・平成21年 日本小動物獣医学会九州地区学会 坂本賞(最優秀賞)
肺水腫を呈する動脈管開存症に外科的結紮術を行ったイヌ3症例
・平成25年 九州地区獣医師大会 学会⻑賞(最優秀賞)
犬の頚部気管虚脱Grade4 33例に対する外科的矯正術の治療成績
・平成28年 日本小動物獣医学会 九州地区学会⻑賞(最優秀賞)
超小型犬の喉頭麻痺に対して左側披披裂軟骨側方化術を実施した治療成績
・平成28年 中部小動物臨床研究会 最優秀賞
上部気道閉塞の閉塞解除治療を行うことで著しい改善をみた二次性気管虚脱
・平成30年 日本小動物獣医学会 九州地区学会⻑賞(最優秀賞)
小型犬における正常喉頭超音波所見と喉頭麻痺症例の比較検討
・平成30年 日本獣医循環器学会 優秀学会発表賞
迷走神経依存性発作性心房細動の犬の1例
・令和1年 日本小動物獣医学会 九州地区学会長賞(最優秀賞)
犬の喉頭麻痺および喉頭虚脱の合併症例(LPLC)に対して披裂軟骨側方化術を実施した治療成績
・令和2年 第99回日本獣医麻酔外科学会 軟部外科部門優秀賞
気管膜性壁に発生した脂肪腫により気道閉塞を引き起こした犬の1例
<論文>
・末松正弘ら.低体重犬の重度肺動脈狭窄症に対して経右室バルーン弁拡大術を 実施した犬の1例.動物の循環器 vol.49(1),35-38(2016)
・Fukushima R. Tanaka R. Suematsu M.et al. Clinical Efficacy of Pimobendan on Cats with Systolic Heart Failure.動物臨床医学 19(1), 1-7, 2010.
・Suematsu M, Suematsu H, Minamoto T, Machida N, Hirao D, Fujiki M. Long-term outcomes of 54 dogs with tracheal collapse treated with a continuous extraluminal tracheal prosthesis. Veterinary Surgery. 2019;48(5):825-834.
Suematsu M. Diagnosis and treatment of upper airway, tracheal diseases. Journal of Veterinary Cardiovascular Medicine. 2019; 3, 1‒7.
診療スケジュール
随時