設備
Animal Care-Hospital ALOHAの設備を紹介します。ALOHAはあそう動物病院と、ほぼ同様の設備がありますが、大きく異なるのはマルチスライスヘリカルCTが導入されている所です。
CTはレントゲンに比べると、情報量が多く、レントゲンで見つからない異常や体の中の血管異常や腫瘍の発見が可能です。今までは開腹してみなければわからなかった異常が開腹することなしに見つけることができたり、手術前に周囲の血管の状態などを把握することで、的確な手術や手術のシュミレーションができるようになりました。動物たちへの負担を少なく、詳しい検査が可能です。
2023年4月に3代目のCTに更新しました。80列のCTで、さらに速くCT検査が可能になりました。呼吸のアーティファクトが出にくくなったので、動物の状態や性格によっては無麻酔でのCT検査が可能になりました。
つぎに血液検査の器械です。
血液検査の器械は動物病院ではもっとも活躍する器械の1つです。どこが悪いかを自分で語ることのできない動物たちにとって、はやく異常を見つけてあげることはとても大切です。そのため、ほとんどの動物病院では、院内で血液検査が出来るようになっています。
写真はIDEXXという会社のCatalystという血液生化学検査の器械です。IDEXXはアメリカの動物の検査センターで、このCatalystは動物専用の血液検査の器械です。血液検査の器械は何種類もありますが、その再現性の高さ(例えば同じ血液で測定しても、多少数字にバラツキが出るのですが、このバラツキが少ないほど再現性の高いいい器械ということになります)が気に入って使っています。また今までは電解質は別の機械で測定していましたが、このCatalystは電解質も同時に測定できるため、時間の短縮になり、なによりも血液量が少なくて済むので、小さな動物たちにとってとても優しい機械です。
ALOHAでは血液検査が重複しても、このCatalystは1度に2検体を測定できますので、待ち時間を短縮することができます。それらをVETLAB STATIONというコンピューターに接続して、血液検査情報を一元管理しています。そのデーターは電子カルテに取り込まれるため、その患者さんが本院のあそう動物病院に受診されても、血液データーを確認することが出来ます。
現在は検査の待ち時間を減らすために3台のCatalystが稼働しています。
血球計算機です。血球計算とは赤血球や白血球、血小板の数を測定する機械ですが、レーザーフローサイトメトリーという方式で、今までの血球検査機器よりも正確に測定できるだけでなく、白血球の分類(白血球は好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球の5種類があります)まで正確に測定することでより病気の診断やその子の状態を正確に判断できるだけでなく、貧血の診断・治療に重要な網状赤血球まで測定できます。
今まで使用していたレーザーサイトから、より正確で、血液量も少なく、そして検査スピードも速いProcyteという機種に更新しました。
猫の炎症物質であるSAAや血栓の診断に有用なDダイマー、FDP、CRPの測定できる機械を導入しました。今までも犬のCRPはとても治療の反応を見るのに役立っていましたが、猫のSAAは外注検査でしかはかれず、どうしてもリアルタイムに治療の反応を見たりするのが困難でした。この機械の導入で、猫の治療や犬の血栓症の診断がかなり早期にできるようになりました。
2015年4月に血液ガスと電解質の測定の機械を更新しました。ウェットタイプで測定速度も速く、とても便利になりました。
2022年に更新して、血液ガス以外に乳酸と血糖値の測定もできるようになりました。
ホルモンなどを測定する機械です。
今はコルチゾール、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、総胆汁酸、プロゲステロンを測定しています。
次に画像関係の機械です。
レントゲンは動物病院には欠かせません。
骨折などの確認だけでなく、腹部臓器や心臓、肺の状態、またはしこりなど様々な診断に必要不可欠な器械です。
レントゲンの現像は今までFCRというデジタルのものを使っていましたが、FCRもフィルもと同様現像という作業が必要でした。今回DRというものに更新しました。DRはデジカメと同じように、レントゲンを撮影するとすぐに画面に表示されます。低線量で動物の被爆が少なくなるというメリットはもちろんですが、レントゲン検査にかかる時間が1/3以下に短縮されます。その事で動物の検査に対するストレスが格段に軽減できるのではないかと思っています。
撮影したレントゲンはすぐにデジタルレントゲンシステムでデジタル化。
時間短縮と高画像を両立しています。また、現像液も使用しないため、環境にも優しいシステムです。
現像した画像はLANで接続された診察室のディスプレイで飼い主さんにお見せいたします。また、過去の画像もファイリングしてあるので、過去の画像との比較が簡単にできます。
超音波検査の器械です。
ALOHAおよびあそう動物病院はエコー検査に力を入れています。それは動物に負担が少なく、なおかつ非常にたくさんの情報を得ることが出来るからです。ALOHAではCanonnのAplio Verfiaという機種と、TOSHIBAのエグザリオ、日立アロカのα7を導入しています。あそう動物病院ではAplio300を導入しています。
もちろん機械が良いだけでは診断はできません。あそう動物病院、Animal Care-Hospital ALOHAでは月に1度、専門の先生に来て頂いて、セミナーとエコートレーニングを欠かさずおこなっていますので、獣医スタッフのエコーの能力にも自信があります。
エコーは日々の診察になくてはならない機械で、とても多くの情報を動物の負担なく得ることができるので、定期的に更新しています。
2021年にARRIETTA750VEとNoblusも購入してエコー3台体制で診察しています。
内視鏡の器械です。
ALOHAの内視鏡は最近多いチワワやトイプードルなどのも対応できるように人の経鼻内視鏡を導入しています。カメラが細くて柔らかいので小さな動物にも安心して使うことが出来ます。
異物の摘出や消化管の観察、バイオプシーなどの検査が可能です。
2014年12月に新しい内視鏡システムに更新しました。より綺麗な画像で観察できるだけでなく、血管を浮かび上がらせる特殊なNBIという機能が付いていて、腫瘍などの診断に役立ちます。
非常に細い内視鏡で10kg以上の雄犬の尿道や小型の犬や猫の気管支内の観察や検査が可能になりました。今までのファイバースコープと違ってCCDの電子スコープなので、画像も非常にクリアーできれいです。
2018年にOLYMPUSのサンダービートというシーリングシステム+電気メスを導入しました。
電気メスおよび血管シーリングシステム
COVIDIENのForceTriadです。電気メスとシーリングシステムのハイブリッドですが、どちらの性能もすばらしいです。シーリングシステムは同のLigasureの後継機種なのですが、シーリングの確実性も高く、またLigasureに比べてデバイス(シーリングに使う様々な形や大きさの鉗子)が非常に豊富で、オープンでの手術だけでなく、腹腔鏡下の手術でも確実な止血をしてくれます。
超音波凝固切開の超音波メスと超音波吸引装置のキューサーが一緒になった超音波手術システムSonoSurg(ソノサージ)です。超音波メスはリガシュアに比べると、シーリングの能力はやや劣りますが、癒着部分の剥離などには非常に優れた器械です。また超音波吸引装置は、血管を切らずに、細胞だけを吸引(吸い込む)することができますので、肝臓の切除や完全切除出来ない腫瘍の減容積(吸い取って大きさを小さくする)に力を発揮します。
腹腔鏡システムのカメラと光源です。Animal Care-Hospital ALOHA、あそう動物病院では腹腔鏡による手術をオススメしています。とくに犬と猫の避妊手術、膀胱結石には動物たちにとってとても大きなメリットがあると思います。また、肝臓などの生検も従来のようにおなかを大きく開ける必要はなく、一般的には5mmの切開2カ所で行うことができます。肝臓の生検を行うことで、より正確な診断ができ、適切な治療ができるようになりました。
腹腔鏡のシステムはStryker1588、Stryker1488、STORZ Image1の3台のシステムがあり、1日に複数の腹腔鏡外科、腹腔鏡下検査、膀胱・鼻腔鏡鏡検査に対応することができます。
様々な腹腔鏡、硬性鏡のスコープや鉗子です。これでお腹や膀胱や鼻、耳の中を覗いたり、治療したり、バイオプシーといって細胞を採取したりの検査を行います。。
Cアームと呼ばれている術中レントゲン(外科イメージング)です。通常はレントゲンを撮影するときはレントゲン室に異動してレントゲンを撮影しますが、骨折の手術など手術中などで動物を移動させずにレントゲンを撮影したいときがあります。そういう時にこのCアームは動物を移動させることなく術中にレントゲンを撮影することができます。
また、DSAという造影検査をするときに骨を消して造影を見やすくする機能もついているため、術中の造影検査もやりやすくなります。
手術用の顕微鏡です。尿管の手術や椎間板ヘルニアなどの脊髄外科に使用します。拡大視野で手術できるため細かい手術が可能になります。
整形外科の手術に使うドリルです。
ALOHAでは最近増えているトイ種の橈尺骨の手術に対応するために様々なプレートを準備して、色んなタイプの骨折に対応できる準備をしています。その中でも骨折治療を変えたと言われるロッキングプレートシステムはLCP、Fixin、Matrixを使っています。
関節鏡のスコープと関節内の脂肪などの処理をするシェーバーです。
犬に多い十時靱帯断裂の診断に使用します。
TONOVETという眼圧を測定する器械です。眼圧の測定は眼科の診療ではとても大切です。以前はTONOPENという機器を使っていましたが、誰が測定しても誤差が少なく、安定した数値を出す、そして何よりも動物の負担が少ないTONOVETに移行しました。現在はあそう動物病院でもTONOVETを使用しています。
眼底カメラです。動物の眼底を撮影してコンピューター上に表示します。今まで説明しにくかった眼底の状態をモニターを見ながら説明することができるようになりました。
最新の動物用の血液透析装置です。中毒や感染症などに伴う急性腎臓病、慢性腎臓病の増悪期に透析を行うことで救命率をあげることができます。
DCAバンテージ
尿中微量アルブミンの検出を行うことで、腎臓病の早期発見、治療に対する反応を綿密に調べることができます。尿中のクレアチニンの数値によって補正した尿中アルブミン指数が評価できるため、その子その子の尿量や体格などの影響を受けず、正確な検査が可能です。
また、血液中のヘモグロビンA1cも測定できるため、糖尿病の子のコントロールがうまくいっているかどうかを判断が可能です。血糖値はその瞬間の血糖しか評価できませんので、糖尿病のコントロールがうまくいっているかどうかの指標にはなりません。それに比較してヘモグロビンA1cは長い期間(1〜2カ月)の血糖の状態を判断することができます。
2017年にデンタルユニットを更新しました。3台目のデンタルユニットになります。
歯科の治療には欠かせない道具です。
モリタ製作所はメンテナンスも非常に良くて、安心して使えます。
ALOHAでは麻酔に力を入れていて、毎月麻酔の専門の先生に来ていただいて、リスクが高い患者さんの麻酔をお願いしたり、スタッフ向けに麻酔の講習をしてもらっています。
ALOHAには3 台の麻酔器があり、どの機械にも全て人工呼吸装置が接続されています。
この機械は麻酔機に接続されているコンプレッサーです。
多くの動物病院では麻酔に純酸素を使っています。純酸素は肺胞の虚脱を起こすため、長い麻酔(本当は短い麻酔にも)にはあまり良くありません。また、純酸素を流すことで、麻酔中に動物たちの肺の状態に異常が起こってもすぐに気がつくことができないというリスクもあります。それらを防ぐためにALOHAでは、人の麻酔と同じようにエアーの混合による麻酔維持を行なっています。
この機械は羅針プレックスというもので、針先に弱い電流を流せるようになっています。この機械を使うことで、局所麻酔薬を神経のそばに注入することができます。
局所麻酔薬による神経ブロックは動物の痛みを強く抑制でき、また全身麻酔の量を大幅に減らすことが可能なため、動物の痛みと全身麻酔のリスクを減らすという意味でもとても重要です。
少しでも動物にいたみを感じさせない、安全な麻酔をスタッフ全員が意識しています。
様々な手術や処置に用いる器具は全て滅菌したものを使います。
動物病院では、ぞの滅菌の作業もとても大きな比率を占めています。
ALOHA、あそう動物病院では麻酔に関連する気管チューブや診察の時に耳の中を覗くための耳鏡の先端も含めて全て滅菌したものを使います。これは動物同士の感染を防ぐために絶対に必要なことですが、手術器具は滅菌してるけど、耳鏡や気管チューブは滅菌していないという動物病院が意外に多くあります。
そのため、毎日多くの滅菌のものが出るため、より一度に多くのものを、早く滅菌できるように、動物病院ではほとんど導入されていないプラズマ滅菌機を導入しました。今までのガス滅菌機では24時間、ホルマリン殺菌機でも数時間かかっていたものが、40分以内に滅菌ができるようになりました。
安全キャビネットです。
細胞の培養や化学療法薬の調剤などに使用します。
細胞の培養に使うCO2インキュベーターです。活性化リンパ球療法のリンパ球や幹細胞の培養に使用します。
オゾン療法に使うオゾンガスを生成する装置です。オゾン療法は体に非常に優しく、様々な病気の治療に併用できる治療です。
ALOHAで使用しているオゾン発生装置はオゾン療法が最も行われているドイツで人のオゾン療法用に販売されている安全性も信頼性も非常に高い装置です。