学会に参加してきます
院長の雑談 2011.11.18
今日から3日間学会に参加してきます。
そのため、今週、来週と大きな手術や検査がいっぱいで、緊急性のない手術などの予約が入りにくくなっています。申し訳ありません。
昨日も大きな手術が2つありました。
ひとつははPDA(動脈管開存症)という先天性心疾患の手術です。まだおうちに来て間もないマルチーズのミルクちゃんは、いつも行かれている先生の病院でワクチン接種の時に心雑音を指摘され、Animal Care−Hospital ALOHAに詳しい検査のために来院されました。そしてエコー検査で動脈管開存症(PDA)という先天性心疾患ということがわかりました。また、軽度の肺高血圧が起こっているものの、手術の適応だということもわかりました。おかあさんのお腹の中にいて、まだ肺で呼吸をしていないときに、大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管という血管があり、その血管は生後まもなく閉鎖して機能しなくなるのですが、この動脈管が閉鎖せずに残ってしまうのが動脈管開存症(PDA)です。動脈管開存症の動物は無治療では早期に心不全を起こし、短命なのですが、この病気は手術すれば完治することのできる数少ない先天性心疾患なんです。ミルクちゃんも検査で手術適応と診断され、飼い主さんも手術を希望されたため、昨日の検査となりました。
1Kgちょっとしかない動物の開胸手術で、拍動している心臓のそばにある細くてもろい動脈管を結紮する手術なので、非常に気を遣う手術ですが、手術は無事成功し、術後のエコー検査でも動脈管の異常血流がなくなっていることが確認されました。これでミルクちゃんは他の元気なわんこと同じ、なんの心配もない元気なわんこになることができました。術後は痛みを抑えるための鎮痛・鎮静剤が投与されているので眠そうですが、ご飯も完食し、経過は順調です。胸腔チューブが抜けるまでの間、もう少し入院が必要ですが、もうすぐご家族みんなのところに帰れるから、もう少しがまんしてね。
もうひとつの手術は脾臓に巨大なしこりのあるダックスの鉄くんの手術でした。鉄くんはおなかが膨れているということで来院されたのですが、すでに外からしこりの形がわかるほど大きくなっていました。明らかな転移などがある場合、手術の適応にならない場合がありますから、手術に先立ってCT検査で確認をしましたが、肺や肝臓に明らかな転移は認められず、手術の適応であることがわかりました。
鉄くんは高齢ですが、飼い主さんは手術を希望されたため、脾臓摘出術を行いました。鉄くんから摘出されたしこりは1.2Kgもあり、摘出後鐵くんのおなかはぺっちゃんこになりました。お腹がすっきりしたせいか、術後は食事をぺろり。おかわりまでしていました。あとは病理検査で血管肉腫でないことを祈るばかりです。
学会参加のためAnimal Care−Hospital ALOHAのみ19日(土)を臨時休診させていただいておりますが、あそう動物病院は通常通り、Animal Care−Hospital ALOHAも18日(金)、20日(日)は通常通り診察しています。少しご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。
ひつでも多くの有益な情報を得て、日々の診療で動物や飼い主さんのお役に立てればと思います。
写真はうちのHulaです。なぜか子供のエレクトーンの下がお気に入り。すでにフットペダルに引っかかって出れなくなることがありますが・・・。