取れました〜
院長の雑談 2011.11.14
膀胱結石で1カ月前から食餌療法による溶解を試みていたシーズーのひかりちゃん。食餌療法に反応しないため、飼い主さんとご相談して手術を行うことになりました。
通常、膀胱結石は膀胱切開術というお腹を開けて、膀胱を切開して結石を取り出すという手術が行われます。術後は1〜2日ほどカテーテルを尿道に留置しておきますので、カテーテルが抜けるまでの間2〜3日の入院が必要になります。
でも、ひかりちゃんの場合は、エコー検査で結石の大きさが5mmと非常に小さく、また1つしかないということがわかっていましたので、少し前にALOHAに導入された「膀胱鏡」を使って、お腹や膀胱を切ることなく結石を摘出することになりました。膀胱鏡は5mm程度の太さの処置具の中に、カメラと鉗子の入る穴があいており、尿道から膀胱内に入れて、鉗子孔から鉗子を入れて結石をつまんで取り出したり、膀胱内のしこりの細胞を採取して検査をする事ができる器具です。
そして無事取り出したのが写真の結石です。お腹や膀胱の切開がありませんから、痛みもありませんし、当日退院することができます。ひかりちゃんも、夕方お迎えに来られたおかあさんに抱っこされて、元気に帰って行きました。
膀胱鏡による結石の摘出は摘出できる膀胱結石の大きさに限界があり、また雌にしか適応できないという欠点がありますが、この条件を満たす子には侵襲の少ない非常にいい方法だと思います。