串が〜
院長の雑談 2009.11.12
最近なんとなく食欲がないということで来院したヨーキーのアル君。食欲がないと言っても、与えた食事を全部食べるのですが、いつもの勢いがないと言うことでした。
でも、飼い主さんにはもう一つ気になることがありました。それは数週間前にアル君が串を飲み込んだ可能性があるからです。
そこで、念のためにレントゲンを撮影してみましたが、レントゲンには大きな異常は認められませんでした。
飼い主さんは非常に心配されており、積極的な検査を希望されましたので、CTを撮影することになりました。
そしてCTを撮影してみると・・・見事に胃の中いっぱいにある串が映し出されました。また、その串の一部は胃を貫通して、数センチ胃の外に出ていることもわかります。こういう状態であれば内視鏡で取るのは難しくなりますので、開腹手術で串を取り出しました。
串はCTで写ったとおり、胃から数センチ飛び出していました。幸い肝臓や脾臓に刺さってはいませんでしたので、大事にならずにすみました。
このようにCTもレントゲンを同じX線ですが、CTはレントゲンに比べて、格段に多くの情報を得ることが出来ます。そのため、お腹のなかの腫瘍であれば、どこから由来の腫瘍かということや、周囲の臓器の癒着具合など、またレントゲンには写らない肺転移などもCTなら発見する確率は格段に上がります。
なんでもかんでもCT検査という訳ではありませんが、有効に使うことで、非常にたくさんの情報を得ることができる器械です。
でも、アル君・・・食いしん坊のせいで、大変な事になるところでした。これでまたいつものようにおいしく食事ができるね。