日本透析医学会

先日、横浜で行われた日本透析医学会に参加してきました。
透析医学会は人の血液透析の学会で、日本中から腎臓の専門医、内科医、透析技師、透析に従事する看護師が集まって行われる学会でとても規模の大きなものです。
その人の透析医学会で、何と今年は「伴侶動物に対する血液透析」というワークショップが開かれ、そこで光栄なことに発表させて頂きました。

今まで様々な獣医系の大きな学会に参加しましたが、やはり人の学会は規模が違いますね。受付やスライドチェックの人も非常に丁寧で、詳しく驚きました。
今回新しいマックを持っていったのですが、プロジェクターの出力がうまく行かなくて、慌てましたが、スライド機器のチェックの方が落ち着いて対応して下さり、無事発表を終えることができました。あの、係の方のさわやかな笑顔が忘れられません。
そしてなによりも驚いたのが、僕たちの発表に参加された人数です。部屋がいっぱいで立ち見まで出ていました。
もちろん、動物に血液透析なんてやってるの?というもの珍しさもあるかもしれません。しかし、これだけの方が動物の血液透析の発表に集まって下さって正直感動してしまいました。
座長の稲本先生が言われた言葉が忘れられません。
「数十年前、私達が人での透析を様々な試行錯誤でおこなっていた当時の事を思い出します。そういう中から、今の人の血液透析は進んできました。そして、今、動物たちに対して血液透析が実施されていて、今日発表のあった1.2kgなどの低体重の猫に対する透析などは、私達人間の新生児などに対する透析の参考になる部分もあると思います。将来人の医学と動物の医学がお互いに情報を共有しながら互いに進んでいけるようになれればいいと思います。」
これはきっと今回発表した僕たち獣医師の先生の心に響いたと思います。
動物の学会ではなぜか血液透析は色物扱いで、今まで救えなかった動物が救えるようになっているにも関わらず、批判的な目が多いのも確かです。多くの獣医師の血液透析に対する知識が少ないばかりに、紹介されることもなく亡くなっている動物たちがどれだけいるだろうと思っています。
ある学会で発表したときにある大学の先生から質問されたことがあります。「血液透析をしても最終的なゴールは死だと思うのですが、やる意味があるんでしょうか?」と。
その時はあまりにショックでちゃんと答えることができなかったんですが、もしそういう理屈なら、例えば癌の患者さん、心臓病の患者さんも同じだと思うんです。
でも、飼い主さん達の少しでもこの子達と長くいっしょにいたいという気持ちに応えるために僕たち獣医師は働いているのだと思っています。
今回横浜での発表前に血液透析をおこなったレプトスピラ症のわんこも、きっと透析がなければ亡くなっていたと思います。でも血液透析で一時的に腎臓の代わりを行ってあげることで、今は透析も必要なく、今までと変わらず元気に過ごしています。再診で病院に来院された時にご家族みんなでいらっしゃって、ありがとうございますとかけて下さった言葉とご家族のみなさんの笑顔が忘れられません。
透析の治療はとても可能性のある治療だと思っていますが、この子のように透析が必要だ、透析しなければ助からないという判断の下、紹介して下さった主治医の先生のお力でもあるといつも思っています。しかし、そこまでの判断ができる先生が多くないのも実情です。僕たち透析にたずさわる獣医師は、透析技術を日々研鑽することも大切ですが、多くの獣医師の先生に動物にとって透析は有用なんだよ、動物でもちゃんと透析できるんだよっと言うことを知ってもらうのも大切な役目だと思っています。
この血液透析を含めた腎臓病の治療が、動物の世界でもあたりまえにおこなわれる治療となることを願って、日々がんばっていきたいと思います。


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