約束守れました(^.^)
ご家族と一緒に奈良から広島まで帰省していたチワワのラッキー君。おうちから離れた広島で交通事故にあってしまいました。幸い骨折などは無かったのですが、肺の損傷に伴い、肺から空気が漏れてしまう気胸という状態になっていました。
軽い気胸の場合、安静にしていたり、一度吸引で漏れた空気を抜いてあげると大丈夫なことも多いのですが、ラッキー君の気胸はちょっと重度で、空気を抜いても、30分もしないうちに、また空気が漏れてきてしまいます。肺から空気が漏れると、その漏れた空気が肺を圧迫するため肺が広がらなくなって呼吸困難になってしまいます。ラッキー君も抜いても抜いてもすぐに空気が漏れてチアノーゼになってしまいます。そこで、持続的に漏れている空気を抜くために胸の中にカテーテルを入れて、弱い圧で持続的に吸引してくれる機械に接続して24時間ずっと吸引する治療を開始しました。吸引を開始して3日後に機械を止めて確認すると、肺からの空気も漏れなくなったことが確認されました。普段使う事のほとんど無い低圧持続吸引器という特殊な機械ですが、こういう時にはあって良かったと思える機械です。
ラッキー君は病院に来たときには血圧も下がり、非常に危険な状態で、飼い主さんはラッキー君を置いて奈良に帰るのは心配で、一時は安楽死も考えられる程の状態でした。でも、ラッキー君のカテーテルから持続的に吸引を開始したときのラッキー君の顔つきがしっかりしていたので、治療することを選択され、ラッキー君を置いて一時奈良にお帰りになりました。奈良にお帰りになる前にご家族で面会に来られたときに、子供さんのお兄ちゃんが、最後僕の所にひとりで来て「ラッキーを元気にして下さい」と言いました。僕もそれに対して「わかった」と約束をしました。
そういう気持ちがはっきり言える子供にも、そして、そういう子供に対してよく言ったねと褒めてやれるご両親にも感動しました。
そして今日ラッキー君が退院するときに、お兄ちゃんに「約束守ったよ」って言ってあげたかったんですが、残念ながら来ていませんでした。もしかしたらこのHPを見てくれているかもしれないので、ここに書くね。「お兄ちゃん、ラッキー元気になったよ。約束守れて良かった〜(^.^)」
写真は新しい家族のチャー坊に緊張のタン君。背中から緊張感がビシビシ伝わってきます(^.^)