はなちゃん、がんばろうね
はなちゃんは1.6Kg しかない4歳の小さなマルチーズで、知り合いの先生からの紹介で来院されました。
来院の理由は発作で、紹介元の先生も門脈体循環シャントという病気を疑われていました。血液の検査でやはり門脈体循環シャントの疑いが高くなったため、CTの血管造影をおこなった結果、やはり異常なバイパス血管がはっきりと映し出され、門脈体循環シャントと確定診断されました。また、胆嚢の粘液嚢腫と総胆管への胆石も確認されました。
門脈体循環シャントは先天性と後天性がありますが、門脈という血管が肝臓に入る前にバイパス血管で全身循環につながることで、本来は肝臓で解毒しなければ行けない様々な物質がいきなり全身循環に入ることで発作などを起こしたり、肝臓への血流が少なくなることで、肝臓の発育が悪く、低アルブミン血症や肝酵素の上昇を起こす病気です。
ハナちゃんは4歳と言うこともあり、手術適応かどうかの確認のために先に肝生検を行いましたが、手術をすることで、肝臓の機能が回復する可能性が十分あることがわかりました。
手術の前に、免疫介在性溶血性貧血などをおこしたため、予定よりも手術はおそくなってしまいましたが、今日門脈体循環シャントの手術と胆嚢摘出術をおこないました。
とっても小さいので、術後が少し心配でしたが、麻酔の覚醒もスムーズで、安心しました。
はなちゃん、お父さんとお母さんが待ってるよ。もう少しがんばって、元気で退院しよう!