高濃度ビタミンC点滴療法の国際シンポジウムに参加してきました
今日は朝1番のセミナーで東京へ!
高濃度ビタミンC点滴療法の国際シンポジウムに行ってきました。みなさん、高濃度ビタミンC点滴療法って知ってますか?たぶん、ほとんどの人がご存じないでしょうね。
簡単にいうと大量のビタミンCを点滴で投与して、血中濃度をある一定のところまで上昇させると抗癌作用があることを利用した治療で、始めて報告されたのは30年以上前なんですが、ここ数年、日本でも人の癌の治療として徐々におこなわれ始めています(アメリカではかなりの数の患者さんがこの高濃度ビタミンC点滴療法を受けているそうです)。ただ、まだ自由診療になるため保健適応にならず、また、その作用機序のすべてが解明されていないため、今はまだどちらかというと癌の標準治療ではなく(いわゆる標準療法は手術、放射線、化学療法です)、代替療法に近い位置づけです。
ただ、数年前からアメリカの腫瘍の専門医のセミナーで少しこの治療の事が気になっていて、いろいろ調べ、やっとうちでもこの治療ができるようになりました。
この高濃度ビタミンC点滴療法の良い点は、重篤な副作用が出る可能性がほとんどない事と、単独での使用だけでなく標準療法(先程も書きましたが手術、放射線、化学療法)と併用することでそれらの効果を高めたり、標準療法の副作用を軽減できる事です(たとえば抗がん剤の副作用を軽くしたり、放射線治療による皮膚や粘膜の副作用を軽減する)。
そして何よりも生活の質(QOL)を改善することができるというのがいいですよね。
この高濃度ビタミンC点滴療法の学会に僕が入会したときに獣医師は3人しかいないと言われましたが、今日のシンポジウムには7名の獣医師が参加していました。きっとみんな、僕と同じように副作用が少なく、動物と飼い主さんが少しでもいっしょに暮らせる治療を模索しているんですね。今は、この治療が受けられる動物病院は全国にほんの数件ですが、きっと近い将来たくさんの動物病院でこの治療が受けられる日が来ると思います。
うちも標準療法はもちろんですが、この高濃度ビタミンC点滴療法と免疫療法も治療の選択肢として飼い主さんに選んでもらえるようになって、治療の巾が広がりました。