久しぶりの更新です
すっごく久しぶりの更新になります。
少しは楽しみにして下さっている方もいらっしゃると思います。本当にすいません。
この数週間は診察はそれ程忙しくはなかったのですが、こういう時にかぎって雑用や出張があるものです。
特に先週末は「どうぶつ皮膚病センター」での研修と癌学会の参加を予定していたため、皆さんには非常にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
でも、本来は木曜日の午後〜金曜日いっぱいが皮膚病センターの研修で、翌日の土、日が癌学会・・・のはずだったんですが、木曜日の午前中の診察で急遽手術が必要な診察があったため、木曜日は東京に行くのが精一杯、さらに土曜日にもどうしても心配な子がいたので急遽癌学会をキャンセルして広島へ!帰ったとたんに椎間板ヘルニアの紹介などの重傷な子が続き、へとへとです。飛行機の便変更、ホテルのキャンセルで数万円の損出でしたが、でも診察した子もみんな元気になってくれたし、椎間板の手術をした子も順調なのでよしとしましょう。
今週の月曜日には2〜3日前から元気がないという主訴で来院されたルピちゃん。12才のダックスなのですが、呼吸促迫と腹痛がひどそうです。体温も上昇しており、血液検査では肝臓の数字が高く、また白血球数とCRP(急性炎症性蛋白)の増加も認められました。
腹部のエコーで胆嚢周囲の炎症と非常に少量の腹水が認められました。また、肝臓内に数個の低エコーの部分も観察されました。
エコーをみながら非常に少量の腹水を抜き、検査を行うと・・・
細菌性の腹膜炎を起こしている事がわかりました。
これは非常に危険な状態です。すぐに輸液と抗生剤を投与し、少し状態が落ち着いたところで開腹手術を行いました。
ルピちゃんはもともと胆嚢粘液嚢腫がありましたので、胆嚢破裂による腹膜炎を疑っていましたが、実際は肝膿瘍の破裂による腹膜炎でした。肝膿瘍とは肝臓に細菌感染がおこり、その部分に膿が袋状にたまる病気です。当然その中には細菌がたくさんいますから、それが破裂することでお腹の中に漏れ出し、腹膜炎を起こします。
さらにルピちゃんはこの肝膿瘍が肉眼で確認できるだけでもたくさんあり、すべてを摘出するというのは難しい状態でした。
そこで、膿瘍の中を吸引、洗浄し、さらにお腹の中も何度も洗浄してドレーンを装着して、現在腹膜炎の治療を行っています。幸い、膿瘍の中にいた細菌は比較的抗生物質の良く効く菌だったため、炎症や感染症の数字も下がってきて、DIC(DICとは播種性血管内凝固症候群というもので、全身の血管で微少な血栓ができる非常に危険な状態のことです)からも離脱することができました。
まだ、安心はできませんが元気になって欲しいです。
さらに昨日は・・・僕はお休みを頂いていたので、家でゆっくりくつろいでいて、夜に家族と食事にでもと思っていましたが、水曜日に手術を予定しているソラちゃんの調子が悪いと飼い主さんから電話がありました。
ソラちゃんは直腸に腫瘍ができていて、排便がうまくできず、また出血も続いていました。知り合いの先生からのご紹介で、先に病理検査を行って、病理検査の結果がでたので、明日の水曜日に手術を行う予定でした。
ところが、排便困難な状態が続いていたため、直腸脱(肛門から腸が裏返って出てきた状態)を起こしてしまいました。
直腸脱が続くと、出ている腸が壊死する可能性があるため、急遽来院して頂いて、1日早いのですが手術を行うことになりました。
手術は無事成功して、今朝からすごく元気です。つらい排便困難もなくなったので、しぶりなどの症状もなくなりました。
そらちゃん、良かったねえ。
久しぶりに更新したら、なんか長くなってしまいました(^_^;)
その上、まとめて書いたのでわかりにくなってしまいました。読みにくくてすいません。
お知らせ:8月からあそう動物病院、ALOHAの獣医師、看護士のシフトが変更になります。またHPでもご紹介いたしますが、診察の希望の獣医師がある方は、ご注意下さい。