ひも状異物
ひも状異物で入院していた猫のハルちゃん。
昨日無事退院しました。
ハルちゃんは、他の先生からの紹介で診察させて頂いたんですが、一ヶ月前からの食欲不振と嘔吐で体重が1.6Kgもやせていました。飼い主さんも、なかなか良くならないと言うことで、紹介元の先生のところに転院され、その先生からおそらく手術が必要と言うことでご紹介頂きました。
食欲不振と嘔吐の原因が分かっていませんでしたので、まず、エコー検査をさせて頂きましたが、エコー検査でばっちり「ひも状異物」に特徴的なエコー像が認められましたので、ひも状異物と診断し、十分な輸液を行った後、手術を行いました。
開腹してみると、腸のまん中あたりから、大腸の部分まで毛糸のようなひもが腸の中でからまっており、また経過が長いために、何カ所も腸に穴があいていいて、ものすごい癒着でした。よくもこの状態で1カ月も生きていたものです。腸管はひもを摘出するだけでは到底改善しそうなものではありませんでしたから、かなり長めに摘出することになりました。衰弱の具合から、術後すぐに食欲が回復しない可能性がありましたので、食道チューブを入れて、手術を終えました(管理は胃瘻チューブのほうが楽ですが、胃瘻チューブは食欲が改善しても、3週間程度はぬけなくなってしまうので、今回は食道チューブを入れました)。
手術翌日から、ハルちゃんはすごく元気になり、フードを手渡しであげていた、大杉先生の手まで食べてしまうくらいの勢いで、食欲も改善しました。ほんと、良かったです。
猫はひも状のものがとても好きで、遊んでいるうちに体に入って、ひも状異物として腸閉塞を起こすことがあります。気をつけてあげて下さいね。
写真は交通事故で入院しているわんこです。気胸と重度の肺挫傷、肋骨骨折、骨盤骨折、尾椎脱臼ととても危険な状態でしたが、やっと元気になってきました。とってもかわいい子でしょう?