リハビリの大切さ
先日、胃捻転で来院したアイスちゃん。なんと16才です。
アイスちゃんは夜中に急に苦しみだしたと言うことで急患で来院されました。かなり苦しそうで、立つこともできない状態でした。
腹部の膨満と嘔吐しようとしても何も出ないという胃捻転特有の症状がありましたので、レントゲンの検査を行うと、やはり胃捻転を起こしていました。
胃捻転は待ったなしの病気ですから、すぐに緊急手術です。開腹をすると、胃はぱんぱんにふくれあがり、捻転による血行障害で一部は赤紫色に変色していました。脾臓の摘出と捻転の整復、そして再発を防ぐために胃の固定を行い、胃チューブを入れて手術を終えました。
16才という年齢、さらに胃捻転という病気の性格から、もしかしたら厳しい結果があるかもしれませんと飼い主さんにはお話ししていましたが、アイスちゃんは順調に回復し、食事も食べれるようになってきました。ただ、とても元気にはなったのですが、16才という年齢からか、術後足腰が非常に弱くなり、このままだと寝たきりになってしまうのではないかという状態でした。
そこで、リハビリテーションを治療に平行して行うことにしました。はじめはなかなか自分で立つこともできないくらいでしたが、スタッフのがんばりと、もちろんアイスちゃんのがんばりもあって、自分で立てたり、少しですが散歩も行けるようになりました。
本当に、人と同じなんだな〜とつくづく思いました。せっかく病気が治っても、寝たきりになってしまっては、生活の質が著しく低下してしまいます。今回は治療がうまくいってアイスちゃんが元気になってくれた喜びも当然大きいんですが、それ以上にリハビリの大切さや有効性をアイスちゃんのおかげで再認識することができました。
病気だけを治すのではなく、生活の質も含めた、その子を治してあげなければいけないんだとスタッフみんな考えたと思います。
今日は、先日椎間板ヘルニアの手術をしたココちゃんも退院です。ココちゃんも神経学的にはかなり回復してきていますが、もう少しリハビリがんばろうね。