ちょっとにぎやかですが・・・
3日前に両後肢の麻痺で来院したM・ダックスのチャオちゃん。
神経学的検査の結果、脊髄疾患が疑われ、椎間板ヘルニアの可能性が高いと考えられました。
椎間板ヘルニアはその症状によってグレード1?グレード5に分類されます。
簡単に書くと
グレード1 痛みだけで麻痺はない状態
グレード2 麻痺があるが、まだ歩行可能な状態
グレード3 麻痺があり、後肢は動かすことができない状態
グレード4 排尿も麻痺し、自力排尿ができない状態
グレード5 深部痛覚がなくなり、鉗子などで後肢の指先を強くはさんでも痛みを感じない
チャオちゃんは、来院時にはおしっこは垂れ流しで、深部痛覚も消失まではいかないものの、はっきりわからない状態でした。つまりグレード4?5の間となります。グレード4以降は内科療法と外科療法の治療効果に大きな差があるため、一般的には外科手術が進められます。
チャオちゃんの飼い主さんも、手術を希望されたため、脊髄造影でヘルニアの場所を特定後、手術を行いました。
チャオちゃんは第2腰椎と第3腰椎間の椎間板ヘルニアで、手術で十分な減圧と、たくさんの椎間板物質が摘出できました。ただ、脊髄神経の色がやや悪かったため、術後の回復の可能性はこの時点ではなんともいえない状態でした。
しかし、翌日からは深部痛覚もはっきりしはじめ、3日目の今日はしっぽも振れるようになってきました。このままでいけば、結構早く歩くことができるようになりそうです。
ただ、リハビリとして、できるだけ運動させるように今日からチャオちゃんは処置室に出ていて、患者さんのわんこに向かって元気よく吠えることがあります(^_^;)。少しうるさいかもしれませんが、あれがリハビリ中のチャオちゃんなんだと温かい目で見てやってくださいね。