久しぶりの更新です

最近、ブログの更新がなかなかできなくてごめんなさい。
ここ数ヶ月の間にいくつか検査機器を導入しましたが、紹介できていないので、今日は簡単に紹介したいと思います。

まずは心電図。今までも動物用の解析装置のついた心電計を使用していましたが、よりフィルターが優秀で取りやすい心電計を導入しました。病院に来る子の中には、病院が怖くて診察台にのるとぶるぶる震えてしまう子もいます。心電計は心臓の電気刺激を目で見える状態に変えてくれる機械ですが、筋肉の震えで起こる筋電も同じ電気なのでぶるぶる震えてしまう子は、筋電が混入してしまって、うまく心電図が取れないこともあります。心電図には筋電フィルターといって筋電を取り除いてくれる装置がついているのですが、それでも心電図がうまく判断できない事がありました。今度の心電計はこの筋電フィルターが優秀で、どんなにぶるぶるしていても、非常にきれいな心電図を取ることができます。あまりにきれいに取れるので、正直、驚きます。
また、この心電図にはもうひとつ優秀な点があります。それはホルター心電計です。ホルター心電計とは携帯できる小さな心電計のことです。心電計の得意な検査に不整脈があります。でも、この不整脈はいつも出ているとは限りません。そのため、小さなホルター心電計をつけておくことで、24時間連続で心電図を取ることができます。これで病院では出なかったけど、ある時間だけに出ている不整脈を検出する確率が上がります。たとえば失神を起こす子や、普段は元気なのに、突然元気がなくなる時がある子など、もしかしたらその原因が不整脈かもしれません。その判断が可能になる、非常に有効な検査です。

次は血液凝固系の検査です。
みなさんは血液の固まりにくくなる病気がある事をご存じですか？たとえば血友病やフォンウィルブランド病、肝疾患によるビタミンK欠乏、DICなど様々な病気で凝固障害（血液が固まりにくくなる状態）は起こります。普段は元気でなんの問題もない子が、実はこのような問題を持っていて、その事に気がつかずに手術を行ってしまったら・・・・想像しただけでも怖いですね。
そのような問題を起こさないためにも、術前には血液凝固能の検査は必要です。人ではこのような検査なしに手術を行うことなどきっとないと思います。でも、動物病院ではほとんどの病院でこのような検査無しに手術が行われているのが現状です。あそう動物病院では今までもACT（活性化凝固時間）の検査を術前にルーチン検査として行っていましたが、より詳しく検査できるように血液凝固系の検査機器を導入しました。

そして最後は内視鏡です。
今までもこのブログで内視鏡による異物の摘出や胃・腸管腫瘍の診断などで内視鏡の事を紹介しましたが、より高画像で、動物に優しい検査を実現するために新しい内視鏡を導入しました。
新しい内視鏡は画像がきれいなのは当然ですが、なによりもその細さが一番の特徴です。
人でも最近、内視鏡は口から入れるものだけでなく、鼻から入れれる内視鏡というのが検査の苦痛を減らすというのを見られた方もいらっしゃるかもしれません。特に今はチワワやプードル、ダックスなど小さい犬が人気なこともあり、太い内視鏡では検査ができなかったり、検査ができても、しなやかさもないため動物に負担がかかるものでした。この負担を減らすために、あそう動物病院では5.9ｍｍの太さの人の鼻からの検査を行う内視鏡を導入しました。非常にしなやかで、明るく、画像もきれいです。小さい動物にも負担の少ない検査が可能になりました。

右の写真を見てもらってもわかるように、内視鏡のスコープは様々な太さがあります。オリンパスが動物用の内視鏡を出していますが、動物用に細さや長さはとてもよく考えてあるのですが、明るさや画像の面で、どうしても納得できませんでした。それでいろいろ悩んでいましたが、人の鼻から入れる内視鏡を使うことで、細さや明るさ、そして画像の面でも納得した検査ができるようになりました。とくに小型犬にやさしい検査が可能になったと思っています。ちなみに今回導入した内視鏡は写真の4本の中でもっとも細いタイプのものです。

自分の体の悪い部分や痛い部分を伝えることのできない動物にとって、その異常を見つけてやることはとても大切なことです。
これらの機械を使うことで、今まで以上に正確な診断、安全な手術、苦痛のない検査を実現できると思っています。