血小板減少症

数日前から元気がないという事で来院されたアイちゃん。
今まで行かれていた病院では治療が難しと言うことで転院されてきました。
アイちゃんは体中に紫斑（内出血）が認められ、血尿や血便も認められていました。また、出血によるひどい貧血も起こしていました（PCV１２）。
血液検査の結果、血小板が重度に減少している事がわかりました。
血小板は体の中で血液の凝固に必要な成分のため、血小板が減少することで血が固まりにくくなり、傷などがないのに自然出血を起こしてきます。
アイちゃんは顕微鏡で確認しても、全くといっていいほど血小板が確認できませんでした。
血小板が減少する病気には腫瘍などに伴うDICなどもありますが、これは検査から否定されました。様々な病気をいくつかの検査から除外し、最終的に特発性血小板減少症と診断しました。
治療はステロイドや免疫抑制剤の治療になりますが、アイちゃんの場合、それ以外に今の危険な状態から少しでも状態を戻すために輸血が必要です。
献血犬として登録してもらっている子に来てもらって、輸血が行われ、危機的な状態は脱することができました。あとは治療に反応してくれるのを祈るだけです。

以前にもこのブログで書きましたが、輸血をすることで助かる命がたくさんあります。
でも、動物には組織としての血液バンクはありません。
また、僕たちスタッフの飼っている動物だけでは到底十分な血液は確保できません。
あそう動物病院では愛犬、愛猫を血液ドナー（献血犬、献血猫）として登録していただける飼い主さんを募集しています。
ドナー登録の際には、血液型判定、一般身体検査、血液検査を無料でさせていただきます。また年に一度一般身体検査、血液検査、フィラリア検査を当院の負担でさせていただいています。
この制度はみなさんのボランティア精神があって始めて成り立つものです。自分の飼っている動物が病気になった時に輸血ができるように、同じく動物を愛するものとして病気の子を救ってあげたいと思われる方、この考えに賛同していただける方は、ぜひご参加下さい！
詳しくは当院スタッフまでお問い合わせ下さい。
皆様のご協力を心よりお待ちしています。