血液検査は何でも分かる?
元気食欲がないと言うことで来院したりんりんちゃん。
血液検査で肝臓の数字が振り切っており、飼い主さんも除草薬がまいてあるところの草を食べたかもという事だったので中毒などを疑いましたが、超音波検査をおこなうと腸管の蛇行と腸管とは明らかに違う高エコーの陰影が腸管の周囲に見えまくれします。
エコーで見る限りはひも状の異物による腸閉塞を疑う像です。念のために造影剤を飲ませてレントゲンを撮ると・・やはり腸管がアコーディオン状によれていて、典型的なひも状異物による腸閉塞の像です。
飼い主さんに説明をし、手術を行いました。
開腹してみると、やはりビニールのひもによるひも状異物でした。
血液検査のデーターだけを見てしまうと、ひも状異物があるとは全く想像できません。でも超音波の検査などを併用することで、本当に異常な部分の診断に到達できました。
血液検査は非侵襲的で(動物の負担が少なくて)、簡単にでき、数字ででるために飼い主さんへの説明もしやすい検査ですが、絶対ではありません。
病気によっては血液検査に全く異常が出ない場合もあります。また、逆にりんりんちゃんのように血液検査に異常があっても、今動物が調子が悪い原因が血液検査で異常がある部分ではない場合もあります。
やはり動物の体を五感を使って十分にチェックすること、血液検査だけに頼るのではなく、必要であれば様々な検査を行って、確定診断に到達することが大切です。