エチレングリコール中毒

アイスノンを食べてしまったこと言うことで急患で来院したチワワのモモちゃん。エチレングリコール中毒を起こしていて、神経症状で立つこともできないほど、ふらつきが出ていました。
エチレングリコール中毒は海外では猫が不凍液を舐めることでよく発生すると言われています（エチレングリコールが甘いために舐めると言われています）。日本ではあまり自分で不凍液を交換する習慣がないため、自宅に不凍液があることが少なく、海外のように発生は多くありません。しかし保冷剤を食べた事によるエチレングリコール中毒は小数ですが報告があります。ただ、あまり発生が多くないために、すぐに診断がつかないこともあり、注意が必要です。
モモちゃんはすぐに残ったアイスノンを吐かすために催吐処置を行い、大量のアイスノンを吐かすことができました。その後点滴と利尿のを行い、翌日には神経症状はなくなり、食欲も出てきました。とりあえずは一安心ですが、腎障害やシュウ酸カルシウム結石などが起こる可能性があるため、まだ油断はできません。モモちゃんは少し恐がりな子なので（といっても病院で食事もおやつも僕の手からよく食べてくれますが）少しかわいそうですが、安心できるまで、もう少しの間通院してね。
保冷剤の多くは現在、エチレングリコールは入っていません。しかし、中にはエチレングリコールの入ったものが市販されていますから、注意が必要です。
安全そうに見えて、実は危険なものが身近に存在していることがあります。
何度も言っていますが、パートナーの安全を守るのも、飼い主さんの役目ですよ。