腸管腫瘍
昨日、食欲が落ちていることで来院されたシーズーのヤイちゃん。
血液検査で肝酵素が高いと言うことで、治療をされていましたが、改善がないと言うことで転院されてきました。
たしかに血液検査では肝酵素の上昇がありましたが、エコー検査で腸管内の液体貯留が認められ、腸閉塞などの閉塞性病変を疑う所見でした。また、血液検査でアルブミンという蛋白が低下しており、腸からの漏出(腸から蛋白が漏れ出すこと)が疑われました。ただ、検査では閉塞性病変を疑うのですが、この子は嘔吐もなく、便もちゃんとしています。
確認のために今朝から消化管造影を行いましたが、やはり完全閉塞はないものの、腸管の部分閉塞を疑う所見がえられたため、飼い主さんと相談の上、開腹手術を行いました。
結果は腸管腫瘍による部分閉塞と、腸管腫瘍に伴う2次性のリンパ管拡張症を起こしていました。腫瘍は切除し、腸管の吻合を行いました。
腫瘍は病理検査の結果が出るまで、どのような腫瘍か特定はできませんが、形状から考えると小腸腺癌の可能性が高いのではないかと考えています。
リンパ節の腫脹もありませんでしたし、早期の発見、手術でしたから、今回の手術で完治して欲しいと思っています。