腸閉塞

ここ2日続けて腸閉塞の手術が入りました。
一昨日は元気食欲が数日前からなく、発熱があるという主訴で来院したダックスのまりちゃん。他院で治療するも改善がないということで来院されました。まりちゃんは発熱と白血球の上昇があり、レントゲンで上腹部がやや不鮮明でしたが、明らかな異物も見えず、ガスの貯留もありません。ただ、エコー検査で胃内の液体貯留がありました。そこで消化管造影を行ったところ、十二指腸上行部で造影剤の停滞が認められました。そのため、飼い主さんに腸閉塞の疑いがあるということで手術のお話をしました。まりちゃんは腸閉塞で最も多い症状である嘔吐がないため、その部分がどうしても納得いきませんでしたが、開腹してみると、想像してた通りの異物による腸閉塞でした、また、閉塞部の腸が壊死し、穿孔していました。もう少し手術が遅れていたら、大変なことになるところでした。この子の場合は、特徴的な症状の嘔吐もなく、血液検査でもレントゲンでも大きな異常は認められず、エコーで異常が認められたため、造影を行って腸閉塞が診断できました。
昨日、手術したシーズーのマック君は、頻回の嘔吐を主訴で来院しました。元気はあるのですが、嘔吐が多いため念のためにレントゲン検査を行い、不鮮明な陰影が見えたため、造影検査をしたところ、異物が造影され、腸閉塞と診断しました。この子の場合は、典型的な腸閉塞で簡単に診断がつきました。
このように同じ異物による腸閉塞でも簡単に診断がつくものから、様々な検査の結果を総合的に判断してやっと診断にたどり着けるものもあります。
ちなみにまりちゃんに詰まっていた異物はとうもろこしの芯で、マック君に詰まっていたのは小さなぬいぐるみでした。