カエル・・・食べないでね
おしりから虫が出るという主訴で来院した猫のクルちゃん。検便でマンソン裂頭条虫という寄生虫が見つかりました。なんかすごい名前の寄生虫ですが、マンソン裂頭条虫はカエルやヘビを食べることで感染する寄生虫で、数mにもなることがあると言われています。また人畜共通感染症といって動物にも人にも感染します。ただ、猫や犬から人へ感染することはなく、人もカエルやヘビから感染します。
このマンソン裂頭条虫・・・とにかく駆虫しにくい寄生虫です。条虫類なので、ノミから感染する瓜実条虫などと同じ薬を使うのですが、瓜実条虫の5倍量の薬を使わなければ駆除できません。また、その量を使っても、なかなか落ちないこともあります。薬の量も多くなるため、猫の場合は内服させるのも大変です。そのため注射を使うこともよくあります。
で、クルちゃんも注射を打ったのですが、病院から帰られた後、飼い主さんから電話があり、すごい量の虫を吐いてしんどそうという連絡でした。すぐに連れてきていただいたのですが、クルちゃんはラーメン1玉はありそうな量の虫を吐いていました。その後点滴などで状態は落ち着きましたが、これだけの寄生虫を吐いたんですから、つらかったと思います。
でも、この寄生虫、このあたりの田舎ではよく見る寄生虫ですが、きっと都会の先生達はこんなの見たことないんだろうなあって思います。
外に出てカエルやヘビを食べなければ感染しませんから、やはり猫は室内で飼ってあげてくださいね。それは猫のためでもあり、人のためでもあるんです。
「続きを読む」をクリックするとマンソン裂頭条虫の写真が出てきます。お食事中の方、こういう写真に弱い方は見ないでくださいね(^_^;)
少しぼかしを入れていますが、やはり気持ち悪いですね。実はこれでも出てきた一部です。でもこんなにおなかに虫がいても、普通に生活してるんですから、動物ってすごい?ですね。