女の子に・・・
昨日、おしっこがポタポタしか出ないという事で来院したシーズーのラブちゃん。レントゲン検査で陰茎骨(犬はおちんちんに陰茎骨という骨があるんです)の部分に結石が詰まっていました。でもそれはそれほどたいしたことではありません。それよりもおちんちんが腫れてるなあと思って、包皮から出して確認してみると・・・・なんとおちんちんは包皮から出せる部分はすべて真っ黒で壊死していました。通常のこのような陰茎の壊死は包皮などの長時間の拘縮で起こるものですが、ラブちゃんの場合、飼い主さんに聞いても原因がわかりません。ただ、このままではおしっこもできませんし、壊死している部分の海綿体から出血が続いてしまいます(海綿体は血管に富んだ組織なので、非常に出血するんです)。念のために1日カテーテルを入れて、詰まっていた結石を膀胱に戻し、様子を見てみましたが、色の悪くなったおちんちんは1日たっても全く改善せず、むしろさらに色が悪くなっていました。
飼い主さんと相談の結果、陰茎の切除と、陰嚢部分への尿道瘻の設置術(もともと陰嚢があった部分に尿道の開口部をつくって、そこでおしっこをさせるようにする手術)を行いました。
女の子のようになってしまいましたが、これで痛みや出血を止めてあげることができます。もう少し入院が必要だけど、元気になって早くおうちに帰ろうね。