扁平上皮癌
今日、手術後の抜糸に来院した猫のジュニアちゃん。なんと16歳です。
ジュニアちゃんは数ヶ月前から耳に外傷があって病院に通われていましたが、改善しないと言うことで転院されてきました。
ゲージからジュニアちゃんを出して、その耳を見た瞬間、それが腫瘍それも扁平上皮癌という悪性腫瘍の可能性が高いと言うことに気づきました。飼い主さんにはその事を説明し、検査のためには生検が必要なこと、かなり時間がたっているので、転移の可能性もすでにあること、耳の出血を止めるためには手術で切除するしかないとをお話しし、症状の改善と検査を含めて耳の切除を行いました。
病理検査の結果は予想通り扁平上皮癌。
今日、抜糸に来られましたが、ジュニアちゃんは元気いっぱいで、耳もなくなりましたが、出血もなく非常にきれいでした。
このまま完治してくれればいいのですが・・・・。
猫の扁平上皮癌は耳や鼻の部分(それ以外に口腔内や舌にもよく出ます)によく発生する腫瘍で紫外線の影響があると言われています。また、外傷や皮膚病と誤診されることも多い腫瘍です。
耳の先が白い猫で、耳の先がかさかさしたり、赤くなっているようでしたらすでに前癌状態になっている可能性もあります。早期に切除すれば根治することも十分可能です。もしこういう症状があれば、早めに病院に連れて行ってあげてくださいね。
ちなみにジュニアちゃんの反対の耳は写真のようにほんの少しかさぶたがついているくらいですが、病理検査の結果、こちらもすでに扁平上皮癌になっていました。できるだけ早期の治療が大切です。