同じ串でも・・・
以前、竹串を飲み込んで胃から皮膚を貫通して出てきた子のことを書いたことがありますが、みなさん、覚えていますか?
この子の場合、あれだけ長い竹串でしたが、皮膚を切皮して抜くだけで、大きな問題も起こりませんでした。
でも同じような串でも大きな問題を出すことも当然あります。
嘔吐を主訴で来院したサンデー君。触診で前腹部に大きなしこりが触りました。レントゲンでも腸管内にガスが認められます。実はこのサンデー君、以前も異物による腸閉塞を起こしています。それもつい2ヶ月前です。
症状からも、検査からも、そして病歴からも腸閉塞がもっとも疑われます。
飼い主さんと相談の上、試験開腹を行いました。すると、触診でしこりと感じていた部分は腸と脾臓が癒着していて、固まりになっていました。その時点では原因がわからず、とにかくひどい癒着を丁寧にはがしていきました。すると、癒着の奥から出てきたものは竹串でした。
あとから飼い主さんに確認をしてみると、お弁当に入れていた爪楊枝をさしたおかずを食べたのかもということでした。爪楊枝は腸管を突き破り、さらに脾臓にも穿孔し、そこで重度の癒着を起こしていました。
今日で手術後4日目ですが、昨日から始めた食事もよく食べ、嘔吐もありません。なんとか回復してくれそうです。
消化管内異物は非常に多い病気です、よくに今人気のダックスは異物による問題を起こしますので、飼い主さんはよく注意してあげてくださいね。