ちゃーくん、がんばりました!
うちの猫のちゃーくん(本名ちゃちゃのすけ)はメインクーンなんですが、メインクーンでは文献的にはないと言われているAB型です。メインクーンですから体も大きくて、子猫の時から大きくなったら、血液の必要な病気の子がきたら血液を分けてあげてねと思っていましたが、血液型の検査をしたらなんとAB型。病院のスタッフはちゃーくんがAB型と分かった時はがっくりしました。というのも猫でAB型は非常に珍しい血液型なので、おそらくちゃーくんはどの子にも血液をあげる事が出来ないだろうなあと思ったからです。(まあ、それはそれでいいんですけどね、かわいいから)
でもついにちゃーくんが活躍できる時がきました。2日前からぐったりしているという事で来院した、ミウちゃん。検査をするまでもなく、外見から重度の貧血と黄疸があることが疑われました。検査の結果、免疫介在性溶血性貧血でヘマトクリット値9というひどい貧血でした。治療はすぐに開始されましたが、ヘマトクリット値があまりに少ないため、このままでは治療の効果が出るまでに亡くなってしまう可能性が高いということで、飼い主さんには治療の効果が出るまでの時間稼ぎに輸血をおすすめしました。飼い主さんも輸血をしてくださいという事だったので、すぐにミウちゃんの血液型を調べてみると・・・・なんとAB型です。どうせA型だろうと(A型がほとんどなので)すでにスタンバイをしていたあーちゃん(もう1匹のメインクーンです)ではなく、急きょAB型のちゃーくんの出番となりました。そして暴れる事もなく、いい子で血液をとらせてくれました。
そしてすぐにミウちゃんに輸血が行われました。ミウちゃんは輸血と治療に非常によく反応し、輸血後26まで上がっていたヘマトクリット値も、翌日には36になっていました。まだ、油断は出来ませんが、非常に良好に経過しています。
ちゃーくん、よくがんばったねえ。
現在、動物の治療において輸血は非常に大きな問題になっています。というのも輸血が必要でも、十分な血液が確保できないため亡くなってしまう子もいるからです。以前は社会的にも、それはしようがないという動きでしたが、ここ数年は輸血に対する要望も増えているように感じます。あそう動物病院では病院にきている子のなかから、献血をお願いする子を登録させていただいています。もし、飼われている子で、献血動物に登録してもいいよという飼い主さんがいらっしゃいましたら、ぜひ、スタッフに声をかけていただきたいと思います。
先日ファブリーズを飲んだことが原因で、免疫介在性溶血性貧血を起こしたM・ダックスのマリちゃんも、献血犬のトム君の血液のおかげで、元気になりました。マリちゃんもトム君の血液がなかったら亡くなっていたと思います。輸血をする事で助かる命もあるんですよ。