慢性の嘔吐
慢性の嘔吐で痩せてきたという主訴で来院したチチちゃん。1ヵ月程度治療をしていましたが、変わらないという事で転院されてきました。チチちゃんはかなりやせ細っており、ひどい脱水でした。血液の検査には脱水と貧血以外は異常はありませんでしたが、レントゲンで腹部に異常にガスがたまっている事がわかりました。飼い主さんと相談の結果、バリウム造影を行いました。
バリウム造影を行ってみると、盲腸の少し前からバリウムが全く流れません。24時間後のレントゲンでも流れないため、試験的開腹を行いました。
すると、盲腸の少し手前で腸管が狭窄しており(病理検査の結果が返ってこないとわかりませんが、おそらく腫瘍です)、そこから先には水さえも流れない状態でした。狭窄部を含む小腸を20cm程切除しました。
この子のように慢性症状で痩せてくるというのは、やはり何らかの重大な病気が隠れている事が多いものです。慢性症状が続いている場合は、様子を見るだけではなく、先生に相談して下さいね。