腎臓病
少し前の話ですが、Animal Care-Hospital ALOHAにたくさんのカップケーキとお手紙が届きました。差出人を見てみると、以前広島市内から腎臓病外来に来院された飼い主さんでした。
一緒に生活しているわんこが慢性腎臓病と診断されて、今行かれている先生からもあまり先は長くないと言われているということでした。他に何かしてあげられることはないか?という事でわざわざ遠方の広島から来院されました。
そこで今までの検査結果やわんこの状態などを確認させて頂きました。すると慢性腎臓病なのは間違いなく、また結構進行した状態なのもよくわかりました。ただ、まだ治療によっては十分いっしょに生活する事のできる時間を作ってあげれると考えられました。その事を飼い主さんに説明し、遠方のため当院に定期的な通院は難しいと思われたので、主治医の先生にやって頂く治療などをご説明しました。
その後はメールで時々相談を受けてアドバイスなどをしていました。なかなか主治医の先生が腎臓病の治療に積極的出なく、悩んでおられるようなこともメールからは伝わってきました。
その後、少し連絡がなかったので、少し気になってはいました。
その飼い主さんからカップケーキとお手紙が届いたので、もしかしたら治療の甲斐なく亡くなったのかもしれないということが頭に浮かびました。おそるおそる手紙を読んでみると、病院をかわって、比較的治療に積極的に対応して下さる先生に出会えて、今も元気でいます。本当にありがとうございましたというお礼の手紙でした。
本当にうれしかったです。
動物たちの寿命が長くなり、人と同じような老齢疾患や癌などが非常に多くなってきています。腎臓病もその一つで、以前に比べて多くなったと感じます。
人と違って、継続の血液透析などの難しい動物では、慢性腎臓病の維持治療は限られている部分も多いですが、それでも様々な治療で動物の状態を改善させたり、元気にいっしょにいる事のできる時間を作ることができる場合も少なくありません。
ただ、その為にはその子の腎臓の状態や全身の状態を正確に把握する必要があります。腎臓病の外来に来院される飼い主様にお話しを聞くと、血液検査以外の検査をされていない場合がとても多いと感じます。それだけでは腎臓の状態を把握することはできず、適切な治療はできません。
そのお手紙をいただいた飼い主様も、もっと多くの獣医さんが腎臓病への理解を深め、治療に対して積極的にやって欲しいと言われていました。
Animal Care-Hospital ALOHAでは血液透析だけでなく、様々な腎臓病の犬や猫に対して飼い主さんとご相談しながら様々な治療をおこなっています。もっともっと多くの腎臓病で苦しんでいる動物や飼い主様のお力になれたらと思っています。