麻酔が不安な飼い主さんへ
日々の出来事 2022.05.11
動物医療センター・ALOHA 獣医師の安藤です。
突然ですが、獣医さんから「麻酔が必要です」と言われた時、どう思いますか?
「麻酔をかけるのは怖い」
「そのまま麻酔から覚めないのではないか」
「痛みがないようにしてあげたい」
このように答える飼い主さんが多いです。
もちろん当院では、麻酔をかけて行う検査や手術をする前に、獣医師が事前の説明を行います。
麻酔に伴って起きる可能性のある症状についてもお話しますので、不安になるような言葉も出てきますが、その症状の対処法についてもお話するようにしています。
それでも不安に思われる飼い主さんはとても多いです。
そのような不安を少しでも無くしたいと思い、このような記事を書いていくことにしました。
今日はまずはじめに、全身麻酔についてお話します。
全身麻酔には3つの要素があります。1つ目は眠らせること、2つ目は痛みを取ること、3つ目は動かなくすることです。
これらの3つの内容を、1種類のお薬で行うことはほぼ不可能で、様々なお薬を組み合わせていきます。
手術ができるように、眠らせる・動かなくすることばかりに集中してお薬を使ってしまうと、血の巡りが悪くなり、色々な臓器に影響が出てしまうことがあります。
また、全身麻酔から覚める時に、痛み止めがしっかり効いていないと、痛みで呼吸が荒くなったり、鳴き叫んだりもしてしまいます。
そのような全身麻酔では、動物に恐怖を与えてしまい、ご家族も不安にさせてしまうと考えています。
私達は、動物が麻酔から覚めた時に、何事もなかったかのようにご飯を食べ、いつも通りの生活が送れる状態になることを目標にしています。
今後は、
・当院の痛みへの考え方や対応
・避妊去勢手術は痛いの?
・小さい傷口だと痛みは少ないの?
などのテーマで記事を書くことを予定しています。
また、麻酔に関して少しでも不安に思うことがあれば、獣医師にご相談下さい
安藤 絵里加
ALOHA 獣医師
以前に住んでいたところで、爬虫類が好きな人と出会い、2017年と2021年に1頭ずつ飼い始めました。
日々の診療や麻酔管理では、出来るだけ動物が痛みを感じないように、治療に臨んでいます。
どのように治療していくのが動物やそのご家族にとって幸せか考えながら、ご家族とたくさんお話したいと思っています。
キャンプやアウトドアが好きで、休みの日はよく出かけています。
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