耐性菌と感受性検査

帝京大学附属病院で多剤耐性アシネトバクターによる院内感染によって多くの方が亡くなられたニュースはみなさんご存じだと思います。
細菌と抗生物質はよくいたちごっこと言われますが、新しい抗生物質が開発されると、さらにそれに耐性をもった細菌が出てくるという、まさにいたちごっこです。
これはとても深刻な問題で、やみくもに新しい抗生物質を使ったり、意味もなく長期間使ったりすることはよくないと言われています。
当院でも抗生物質の使用には一定のルールを設けており、新しく、効果の高い抗生物質を使う前には薬剤感受性検査を行って、その薬以外効果のある抗生物質がない場合だけ、使用することにしています。
薬剤感受性検査というのは、原因となっている細菌に、どの抗生物質が効果があるかを調べる検査です。この検査をおこなうためには、それぞれの薬剤の感受性ディスクというものが必要になります。
そのため、当院では病院で使用しているすべての抗生物質の薬剤感受性を行うための感受性ディスクを院内に常備しています。
そんななか、ちょっとショックな出来事がありました。マルボフロキサシンという抗生物質の感受性用ディスクがなくなるというのです。マルボフロキサシンはファイザー社が動物用に販売しているニューキノロン系の抗生物質で、動物病院ではよく使われる薬です。動物用なので、市販されている感受性ディスクはなく、販売元のファイザー社から配布してもらうしかありません。今まではそのような形で配布してもらって、感受性検査をかけていましたが、今後、薬の販売は続けるものの、感受性ディスクはつくらないという方針のようです。
おそらく人ではこのような事はあり得ないと思います。「感受性はできませんが、ばんばん使って耐性菌をつくって下さい」と言ってるようなものですから。
ファイザー社にはコンベニアという1回注射すると2週間効果が持続する抗生物質もあります。一度の注射で2週間の投薬が必要ないと言うことで、ものすごく売れているそうです。当院でも使用はしていますが、あまり積極的には使っていません。なぜかというと、このコンベニアも感受性ディスクがないからです。
薬剤耐性菌を少しでも作らないためには、感受性検査はとても大切な検査です。その感受性検査のできない抗生物質を販売し続けるというのは抗生剤をつくる会社の姿勢としてはどうなんでしょうか?
確かに人の医療と違って、感受性検査をおこなっている動物病院はそれ程多くはないかもしれません。でも、抗生物質を販売する会社の責任として、感受性検査ができるようにするべきだと思います。多くの獣医師がこのことをファイザーに指摘して、マルボフロキサシンとコンベニアの感受性ディスクが早く作られるようになることを祈っています。
あまりに時代に逆行したできごとだったので、愚痴っぽくなってしまったので、最後に楽しい話題を・・・。
今月の19日に松永駅南口で行われるゲタリンピックに参加することは前にも書きましたが、そこで当院のブースではポップコーンと飲み物の販売を行うことに決定しました\(^_^)/
当日、当院の患者さんで、診察券をブースで提示して頂ければ、ポップコーンを無料で差し上げま〜す。
ぜに、遊びに来て下さいね。


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