内蔵型肥満細胞腫

3日前からの食欲不振と嘔吐を主訴に来院した猫のピーちゃん。
レントゲンの検査で軽度の遊離ガスが認められました。通常、胃や腸管にはガスがあってもおかしくはないのですが、遊離ガスは胃や腸ではなく腹腔内(つまり胃や腸の周り)にあるガスのことで、この遊離ガスが認められた場合は消化管穿孔(胃や腸に穴があいてガスがそこからもれる状態)を疑わなければなりません。
飼い主さんにそのことをお話しし、試験的な開腹も含めた手術を行いました。開腹後、おなかの中を詳しく調べると胃の一部に穿孔があり、腹膜炎を併発していました。また、術前の超音波でも確認されていましたが、脾腫(脾臓が腫大すること)があり、術中の細胞診で多数の肥満細胞が採取され、内蔵型肥満細胞腫が疑われました。
肥満細胞腫は犬の場合はすべて悪性腫瘍ですが、猫の場合は皮膚にできるタイプは基本的には良性と言われています。しかし、脾臓や腸管にできるタイプは悪性腫瘍です。また肥満細胞腫は肥満細胞が出すヒスタミンという物質により消化管穿孔を起こすことがあります。ピーちゃんもこの肥満細胞腫のせいで胃穿孔を起こしたと考えられました。この猫の内蔵型肥満細胞腫は多くの場合、手術時にはすでに転移していることが多く、完治は見込めない腫瘍ですが、脾臓を摘出することで、その後長期に生存できることが知られています。そのため、ピーちゃんも胃穿孔の手術につづき、脾臓摘出術を行いました。
術後の経過は良く、手術翌日から食事を食べ始めてくれました。術後2日目に腹膜炎の管理のために入れていたドレーンを抜き、6日目の今日、元気に退院していきました。
今後ピーちゃんがどのくらい生きることができるかは分かりません。でもピーちゃんが少しでも長く、飼い主さんといっしょにいれたらいいなあ。そのために、僕たちもできるだけのお手伝いをしたいと思います。


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