門脈シャント

昨年末に他院で門脈シャントの疑いがあると言われたということで来院したシュナウザーのピース君。食欲不振や盲目、頭を壁におしつけるなどの症状がありました。体重も3ヶ月だというのに1.2Kgしかありません。
血液検査やレントゲン、超音波検査からやはり門脈シャントの可能性が高いと考えられました。
門脈シャントは腸から吸収された栄養を肝臓に送る門脈という血管が、肝臓に入る前に、全身への異常なバイパス血管を通って全身に流れてしまう病気です。そのため、肝臓への血液の不足や肝臓で解毒される前の血液が全身に流れることなどで様々な症状を出してきます。また、早期に肝硬変を起こすために一般的にはこの病気の子は短命です。治療は手術でこの異常なバイパス血管を止めて、肝臓への血流を改善させるという事になります。この門脈シャントのシャント血管は様々なパターンがあり、うちで対応できるのはその60%程度です。そのため、基本的には2次病院を紹介していますが、ピース君の飼い主さんは、うちでしてほしいという希望でした。事前のエコー検査でうちでも対応可能なシャントだと予想していましたので、手術をお受けしました。
門脈シャントの手術はまず、開腹後門脈造影をおこなってシャント血管の場所を特定します。その後シャント血管を結紮して、血流を止めるのですが、この時に完全にシャント血管が遮断できるタイプは簡単なのですが、完全に遮断することで門脈圧が上昇しすぎてしまう場合は、1回目の手術で部分的に遮断して2回目の手術で完全に閉めたり、アメロイドコンストリクターやセロハンなどを使用して徐々にシャント血管を閉めていく方法がとられます。
ピース君は事前の血液検査でアルブミンがかなり低いため、完全結紮できないタイプと考えられました。そのため、アメロイドコンストリクターを使用した手術を行いました。術後の経過は今のところ順調で、とても元気で、体重も増え、総胆汁酸という数字も下がってきています。非常に複雑な病態をとる病気なので手術をすれば必ず良くなるという訳ではありませんが、元気になってほしいです。


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