小さくても・・
先日、腸重責で来院したジャンガリアンハムスターのぎーちゃん。
体重はたった40gです。
以前からずっと下痢気味ということで、おそらくそれが腸重責の原因と思われました。腸重責の場合、開腹手術が必要となりますが、ジャンガリアンハムスターの場合、非常に小さいため、手術をしても予後が悪いこともあります。ただ、何もしなければ1週間程度で死んでしまいます。ぎーちゃんの飼い主さんは、可能性にかけて手術を選択されました。
麻酔下でおなかをあけてみると、思った通り腸重責があります。ジャンガリアンにしては長く2cm程度の腸が重責を起こしていました。腸重責を起こしている部分の腸を丁寧に整復し、おなかを閉じました(写真の滅菌綿棒の枝の部分で指している部分が重責です。小さすぎてわかりにくいと思いますが)。ただ重責している部分の一部の腸がかなり色が悪かったため、術後よくなってくれる可能性は50%程度だろうと飼い主さんにお伝えしました(肛門から出てる部分が肛門によって締めつけられ、血液が流れなくなることで壊死を起こすため、時間がたてばたつほど壊死が進行します)。
今日、手術から1週間が経過し、無事抜糸となりました。まだ、安心はできませんが、食欲もあって、便も出ていますから、まず元気になってくれるのではないかと思っています。
腸重責はハムスターに非常に多い病気です。肛門部から赤い腸が出てきますから直腸脱と間違われることがありますが、ほとんどはこの腸重責です。ハムスターのおしりから赤い腸が出てきたら、できるだけはやく動物病院に連れて行ってあげてくださいね。