年だから・・・?
17歳のあずさちゃんは、誰が見てもよぼよぼに見えるわんこです。さらに昨年、特発性の前庭疾患を起こし、よくはなりましたが、斜頚が少し残りました。そのあずさちゃんが、子宮蓄膿症になってしまいました。子宮蓄膿症は中高齢の雌犬に多い病気で、子宮内に感染を起こし、膿汁がたまる病気です。高齢のあずさちゃんはみるみる弱ってしまいました。子宮蓄膿症には外科的治療(子宮卵巣摘出術)と内科療法があります。一般的に内科療法は次の発情後に再発してしまう可能性が高いため、交配などの理由がない限りは通常外科的な治療が行われます。
ただ、あずさちゃんの場合、非常に高齢のため、飼い主さんと相談の上、内科療法を行いました。しかし数日内科療法を行いましたが、若干の改善はあるものの、反応はあまりいいとは言えませんでした。そこで再度飼い主さんと話し合い、手術を行うこととなりました。あすかちゃんは飼い主さんの元気になってほしいという願いが通じたのか、大きな問題もなく手術は終了し、術後みるみる回復していきました。今日、抜糸にこられましたが、食欲もあり、散歩も行そうです。
病院で診察していると、年だからという理由で先生から手術をしなくていいと言われたという方が転院されてくることがしばしばあります。また、年だからという理由で治療をあきらめる飼い主さんもいらっしゃいます。人によって考え方は違いますから、それが間違いということはありませんが、年齢を乗り越えて元気になる子もたくさんいるということも忘れないでくださいね。