がんばれトラちゃん
昨日、お友達の猫撮り屋さんが、一匹の猫を連れてこられました。
その子はいつも猫撮り屋さんが写真を撮りに行かれている鞆にいる野良猫です。トラちゃんは交通事故にあったようで、意識は正常で見た目は元気そうでしたが、後肢が動いていませんでした。まず、全身状態を確認し、その後後肢の神経学的検査を行いました。残念な事に両後肢の深部痛覚はなく、重度の脊髄損傷が疑われました。レントゲンを撮影してみると、第6腰椎の骨折があり、脊椎が大きくズレていました。脊髄造影でもその部分への造影剤の流れはわるく、また、脊髄造影の時に針を刺入したときピクッと動くはずの後肢の反応が全くありません。残念ですが、トラちゃんの後肢は仮に手術をしたとしても改善する可能性はゼロに等しいと思われました。でも、トラちゃん本人は元気で、食事ももりもり食べます。膀胱がマヒしているため、自力で排尿できませんから、圧迫する事で排尿させてやらなければいけませんが、それをやってやれば、まだまだ生きていく事ができます。
うれしい事に猫撮り屋さんやその仲間の方たちがトラちゃんの面倒を見てくれる人を一生懸命探してくれています。きっといい飼い主さんが見つかる事でしょう。